第45回神楽坂祭り

7月末の土曜日、本格的な夏空の下、第45回を迎えた神楽坂祭りに行った。これまで2回ほど行ったことがあるが、いずれも金曜日だった記憶がある。つまり会社の帰りに立ち寄ったと言う訳である。この祭りは何故か阿波踊りが出し物である。午後3時半ごろ、家を出て神楽坂に向かう。まさに通勤と同じコースである。但し、ラッシュアワーではないので悠々と座れて、冷房が寒いくらいに効いていた。神楽赤に着いたのは午後5時前、神楽坂の大通りはまだ歩行者天国にはなっていなかったが、写真に示すように祭りの雰囲気が伝わってきた。

毘沙門天の前で浴衣姿の美人がいたので少々ピンボケだが写真に収めたので載せる。

商店街はほとんどが店の前に出店を出して食べ物などを販売していた。昨日まで出ていたよしず張りの屋台の列は取り払われていた。小腹が空いたので五十番の店の前に出ていたワンコインの肉まんとビールのセットを買った。食べ歩きができるように設えてあり、道行く人も食べ歩きをしていたが、何となく気が引けたので、神楽坂大通り(早稲田通り)と大久保通りとの交差点の先に公園があるのを思い出し、そこへ足を運んだ。公園は比較的空いていて藤棚の下にベンチがあったのでそこに腰かけて、ビールを飲みながら肉まんを頬張った。ビールの酔いが身体中に充満し、ぼんやりと公園内の動きを見つめていた。ゆっくりと時が流れていく。少し離れたベンチで男性が鳩や雀に餌をやっていて、それぞれ10羽以上の鳥が集まっていた。餌の取り合いは結構厳しく、折角得てもほかの鳥に取られてしまう光景にのどかな風景の中に自然の厳しさを感じさせられた。午後6時過ぎに公園を出て再び神楽坂大通りへ。かなりの人が出ていて、道路の縁に陣取り、阿波踊りの一行を待ち受けている。

やがて、先の交差点の向こうから子供によるの阿波踊りの一行が姿を現した。

そして、次々に町ごと、団体ごとのグループごとに続いていった。もはや歩道は満杯で歩くことも困難な状況であった。太鼓と笛の音が腹と頭に響き渡ってくるようだった。そして、子供たちの元気な掛け声が心を揺さぶった。

本格的な阿波踊りは7時からだと言うので、何とか歩道を歩いて神楽坂大通りの入り口付近にある紀の善に入り込み、卵雑煮とみつ豆を頼んだ。30分かけてゆっくりと食べ、7時に表へ出ると、すでに阿波踊りは始まっていた。矢張りこちらは迫力が違う。菅笠をつけた浴衣姿の女性群の踊りは祭りの最高潮の雰囲気を作り出すのにあの三社祭の神輿にも匹敵するものであった。但し、何枚か写真を撮ったのだが、いずれもピンボケで、何とか雰囲気が伝わるものとしては下記のものしかなかったのが残念であった。

確かに日本人は祭好きである。浅草の三社祭、神田明神祭、京都の祇園祭、青森のねぶた祭、秋田の竿燈祭、七夕まつりなどなどこれまで多くの祭りを見てきたが、踊る人々、それを見物する人々の中に大いなる活気が漲っていて、今回改めてしみじみとそのことを想った。