東北地震

東北地方太平洋沖地震を見て

 3月11日突然襲来の東北地方太平洋沖地震は全てを破壊し、自然の力の恐ろしさをまざまざと見せ付けられた思いがいたします。被災された方々、地方には心よりお見舞いを申し上げるのと、一日でも早い復興をお祈りするばかりです。

 幸い弊社は机の上の書類が散乱する程度で済みましたが、関係会社様の中には物的被害を被られたり、原料や部品調達が滞ったり、電気水道等が停止し操業再開が遅れる会社様もおられたりで、大なり小なり影響を受けておられる会社様も少なくはありませんでした。

 その中で人的被害を受けられたという情報が無かっただけ幸いです。今回の地震、津波はまさに想像を絶する規模であり、膨大なエネルギーが放出されたことは間違いないとは思います。しかし気になることはニュースで盛んに言われた「想定の範囲外」という言葉であります。確かに日本ではマグニチュード9.0という途方もなく大きな規模であったし、津波も15mを超えるものであったようです。確かに過去の歴史はその規模があったとは記録にはないようですが、それを想定外という言葉で終わらせてはならないと思います。今回はいつかまた想定外のことが起こる可能性があることを自然は告知したものと思います。そして今回経験した者はその経験と対処策を後世に伝えていくことが課せられたのではないでしょうか。

 それはどんな小さなことでも良く、震災がおこり直後携帯が全く繋がらず、固定電話やインターネットが意外と役に立ったことや、事務所に置いてあった非常食が地震後のスーパーやコンビニの買い付け騒ぎに巻き込まれず冷静に対応できたこと、こんな小さなことから始めてもいいではないか。微力な弊社を頼りにして頂いている取引先様に非常時でも迷惑をおかけしない危機管理体制を組み上げていくことの必要性を痛感したしました。

 かつて2億年の長い間地球に君臨していた恐竜たちが地球上から消滅したのは各種学説があるようですが、隕石が衝突して起きたことが原因とする説が有力だそうです。もしこれがおきなかったら恐竜時代の後期には大きな脳を持って知能が優れた恐竜が現れていたそうで、場合によってはその子孫が地球を席巻していたかもしれないという想像ができます。

 今の人間社会をそのまま恐竜の時代を当てはめるわけにはいきませんが、少なくとも想定外といって起こるが天災がこれまで構築してきた文化社会を滅亡へさせるシナリオを避けるためにも、この経験とその対処策を蓄積し伝え、そして会社としてもより充実した危機管理体制を作っていきたと思います。今回の天災で悲惨なことを多く見てしまったことは間違いありませんが、それと同時に本当に人間の将来は明るいと感じさせてくれたのは、世界中の人たちが力をあわせて援助を計画し、実行してくれていることです。この気持ちがどんどん広がっていけばきっといい世の中になっていくことは間違いないと感じました。