神楽坂界隈探索-3

今回は本多横町の路地裏と神楽坂本通りと大久保通り沿いの店を分野別に紹介する。これまで入った店に加えて地図に記しておいた。

まずは蕎麦屋、既に「九頭龍蕎麦」と「練り屋文楽」は紹介したが、この地図にはなく、神楽坂仲通の一本南の神楽坂小路沿いにある「志なの」。昔横浜の馬車道でとびきりの十割蕎麦を食べたことがあるが、その姉妹店だろう。笊蕎麦が1100円と少々高めだが、太くて腰の利いた麺とたっぷりで出汁の利いた汁、さすが有名店だけのことはあるとFさんと頷きあった。次いで、神楽坂沿いにある「丸屋」、入った時、閑散としていたのでしまったと思ったが、笊蕎麦は蕎麦も細くて腰があり、汁もまあまあであった。但し、750円の大盛りを頼んだが、「志な乃」の普通盛りよりも量が少なく、それに3人の中年以上の女性従業員(一人は女将?)が不愛想で、これじゃあ客は入らんわとその閑散ぶりに納得した。神楽坂通りのもう一軒「山せみ」、天セイロを頼む。天ぷらがカラッと揚がっていて、天つゆも美味く、蕎麦も腰があり、風味があってなかなかのものであった。

山せみの向かい側の路地入ると「酒膳」がある。セイロを頼む。出てくるまでかなりの時間を要したが、蕎麦は腰、風味共に一級品であった。次いで、その路地を西に進み軽子坂の通りに出ると目の前に「ゆうゆう」がある。越前おろし蕎麦屋、兄弟だろうか、大柄の男性が料理をし、女性が給仕をする。男性は明るいが、女性が少々暗い。春巻きが目玉らしいが、越前おろし蕎麦を註文する。カレーライスが付いて880円と安い。時間がかかって出てきた蕎麦を食する。あの九頭龍そばに似ていてなかなかのものだ。カレーライスも悪くない。女性がもう少し愛想が良いといいのだが。
次いでイタリアン。「Lastricato」、亀戸の「Lafonte」に匹敵するイタリアンレストラン。最初、スープとサラダの選択、4度行ったが3回はサラダを注文、4回目にスープを頼んだ。サラダはレタスやミニトマトなどしっかりした食材を使っている。スープは味わい深い。次いでパン。これもなかなか香ばしい。そして、メインディッシュ。1度目は冷たいパスタ。トマト味で何とも言えぬまろやかな味であった。2度目は同じくトマト味の鮭のパスタ。こってりした味とあっさりした味が微妙にミックスしてまさに絶品であった。3度目はクリーム煮、しつこくなく深い風味に幸福感を味わう。最後はコーヒー、「Lafonte」よりは少し苦みがあるが、同じように味わい深い味であった。値段は1000円で同じ。2度目にはOさんも同行したが、共に「Lafonte」と同レベルの店を見つけた喜びを分かち合った。但し、Fさんは「Lafonte」の方が良かったとのことであった。ウエイトレスの女性が愛想が良く、2度目3度目の時、「2度目ですね」「3度目ですね」と笑顔で挨拶。思わず鼻の舌を長くしたが、いつまで経っても枯れない男を感じた一瞬であった。

「PICOLIT」イタリアンの店。「Lastricato」ほど大きくないが、同じようないかにもイタリアンの店の雰囲気が漂っている。女性客がふた組いた。同じような背の高い椅子のカウンターに腰掛けようとすると「平たい席もありますよ」と女性が言ってくれたが、「ここでいいよ」と断った。パスタメニューが2種類と何か分からないがパスタだけ違うメニューが1種類あったが、パスタメニューを頼む。メニューでは、パン、サラダ、スープ、パスタ、カフェ、小菓子が出てくるようだ。氷水がワイングラスにつがれて出てきたが、その後はなかなか出てこない。5分ほどしてパンが、10分ほどしてようやくサラダとスープが出てきた。パンは香ばしくて歯ごたえがあり、ハム入りのサラダはハムが焼いてあり味が濃く、ドレッシングがよかった。スープはどろっとしているが、味はあっさりしていて美味い。次いで、頼んだ赤葱とアンチョビソースのスパゲティーが出てきた。パスタは自家製でもちもち感がありちょっと異色の感があった。味はまあまあといったところ。カフェはハーブティーかコーヒーかを聴かれ、迷わずコーヒーにした。エスプレッソ風でなかなかのものだ。菓子はほんの一口だが、味は悪くなかった。占めて1280円。偶にはいいが、やはり「Lastricaso」にはかなわないとの印象を持った。
次は、ラーメンを含めた中華料理屋。まずは大久保通り沿いの「海老専家」、味が濃い目だが、安くて美味い。特に海老チリ定食はプリプリした海老が山盛り、これだけ豊富だと幸せな気分になる。次いで、同じ通り沿いのラーメン屋「みそ神楽」。味噌ラーメン専門の店で信州みそ、八丁みそ、西京みそなど全国の味噌味が楽しめる。西京みそラーメンを注文した。麺は太くて腰があり、少し甘めだが出汁が効いていていい味であった。他日、信州味噌ラーメンを食する。味わい深い美味いラーメンの印象であった。次なるは、神楽坂仲通沿いの「一品香」、まあ普通のラーメン屋の印象であった。
次いで韓国料理。まずは「翔山亭」、料亭風の建物の3階に店を構える。土足でで上がるのが気が引けるほどきれいな店、ずっしりと重そうなカウンター風テーブルに向かう。メニューを見て初めて韓国料理の店だと気付く。迷わず石焼ビビンバを注文。そんなに待たされずに登場。和牛を使ったビビンバ、具が多くじっくりと混ぜる。韓国風スープがついていて上品な味だ。ビビンバもねっとりとしていい味だ。1000円と手ごろな値段で、楽しめた。他日、Oさん、Fさんと行った時は、少しお待ちくださいと言うので待ったが、予約客を先行させたのでかなり待たされ、料理もなかなか出てこないでいらいらしていたせいか、料理も前の時ほど美味いとは感じなかった。Oさんも大したことないですねと満足した様子ではなかった。

次いで、軽子坂沿いにある韓国家庭料理の店、日本語があまり得意でない料理人とその母親だろうか熟年女性が店を切り盛りする。Fさんと入る。私は石焼ビビンバを頼む。翔山亭と同じレベルのなかなか味わい深いものであった。Fさんはブルゴギを頼んだが、あまり満足していないようだった。
最後に、上記ジャンルに入らない店を2軒紹介する。1軒は、「あべや」、親子どんぶりが売りの店。大小中とあるが、中を頼む。秋田の地鶏を使っているとのこと、歯ごたえがあってジューシーだ。卵はふわっとして味は濃い目でしっとりと舌に絡んでくる。ここも1000円、満足いく値段であった。他日、我が社の営業担当のTさんと行ったが、彼も満足していた。2軒目は、「てけてけ」。Fさんと行き、二人部屋でゆったりと食べることができた。秋刀魚の藻塩焼きに添え物がしっかりついて690円。Fさんのチキン南蛮もボリュームがあり、味もなかなかで590円。何と言っても安い。鶏・旬菜・お酒が自慢の店ということで、夜に行きたい店である。