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FT-Netブログの口火

月曜日, 12月 8th, 2008

私は自身ブログを開設していて、文学音楽、散歩、化学などの話題で書いています。色々書きたいことはありますが、今回は口火という事でFT-Netと深い係わり合いを持つ「フッ素のこと」を書かせていただきます。敢えて硬い文章に終始させていただくことをお許しください。

フッ素はあの周期律表の右上隅に位置し、本ホームページのご挨拶のところで掲載したフッ素ツリーにも見られるように多種多彩な特徴と用途を有している。

ある人が「フッ素は山椒のように小粒でもぴりりと辛い」と述べていたが、言いえて妙であると思う。つまり、最も小さい水素原子に次いで小さく、薬などの有機化合物の水素原子をフッ素原子に置き換えても生体は見分けることが出来ず、しかもフッ素と水素では全く性状が異なるのでユニークな生理活性能力を発揮する。従って、抗がん剤や抗生物質をはじめとして広範囲な医薬品として使われており、また、農薬の30%はフッ素系であり、特異な薬効に加えて、散布量が少なくて済み、地球に優しい農薬として益々その重要性を増している。

特異な生理活性の基になっている特徴は小さいことのほかに、電気陰性度が全ての原子の中で最も大きいこと、つまり他の原子から電子を引き寄せて負の電荷を帯びやすいと言うことと、炭素とフッ素との結合が強く、熱や薬品に強いことがある。

前者の特徴の応用では液晶ディスプレイの液晶材料には欠かせないものである。

後者の所謂耐熱性や耐薬品性はテフロンの名で知られるフッ素樹脂として半導体、化学装置、電子材料として幅広く活躍している。また、30年以上の耐候性を有する塗料として本四架橋をはじめとしてビルディングや工場などの壁に塗装されており、さらには10年以上もつビニルハウスのフィルムとしても用途は拡大している。さらには厳しい条件下で作動できる食塩電解用のイオン交換膜として水銀法に変わって使われており、その技術が今後のエネルギーとして最も期待されている燃料電池の電解質膜として有望視されている。

そして、FT-Netが最も力を入れている水や油をはじいたり、物をくっつけない非粘着性という大変魅力ある特徴を有しているのもフッ素なのである。これは一言で言えばフッ素が密集してかたまりを作ると物を寄せ付けない性質が発揮されると言うことである。雨具、スポーツウエア、スーツなどの撥水撥油剤、カーペットや壁紙の防汚剤、ハードディスクの潤滑剤、タッチパネルの指紋付着防止剤、金型離型剤、半導体のオイルバリヤーなど、その用途は多彩であり、今後さらに重要性は増してくると期待されている。

さらに冷媒や溶媒などはよく知られているが、さらには光ファイバーやリチウムイオン電池などにおいても欠かせない存在であることを付け加えておく。

FT-Netでは撥水撥油性、非粘着性を利用した製品の開発を行い、商品化している。その場合、オゾン層破壊に始まり、地球温暖化、PFOS・PFOA問題などの環境問題の試練を潜り抜けてきたフッ素の負の部分も十分に認識し、それに対処した開発を行っていることは言うまでもない。

またそれに関するコンサルティングを行っている。また、日々刻々変化しているフッ素の世界を特許・文献を中心に情報収集し、それを月ごとに纏め、ご提供している。

かなり硬い話になってしまいましたが、これは最初だけのつもりであります。FT-Netには個性豊かな人が多く、その方々が自由にもっと柔らかい文章を書いてくれることを期待して筆を置きたいと思います。勿論私自身もこれからは他の話題で柔らかい文章を書いていくつもりですので併せてご高覧のほどよろしくお願い申し上げます。

松尾 仁